ガングリオンの概要

「おや、なんか膨らんでる?虫刺されかな?」

「こんなところにニキビのようなものがあったっけ?」

 

と今回は初期だと米粒大で気付かないくらいだが、大きくなるとピンポン玉大になるガングリオンについて紹介していく。

 この聞きなれない「ガングリオン」という病気は、手指の関節などにしこりができるものである。先で述べたように初期だと米粒大の大きさくらいなので気付かないことが殆どだが、手指や手首をよく使い続けると次第に大きくなり、ピンポン玉大くらいまでになる可能性もある。そして膨らんでいる塊の中身は、滑液などがゼリー状に固まったものである。

 このガングリオン、それ自体には全く害はない。よって不利益が生じない限り放置していても問題が病変ではある。実際に整形外科でも診断後、何らかの不都合な症状が出るまで経過観察(放置)するということもある。

 問題は無害であるガングリオンが拡大し、神経等を圧迫し始めてからとなる。神経を圧迫すると、当然だが圧迫個所で痺れや感覚麻痺、筋力低下などの症状が発生する。よって神経圧迫による症状が発生してからガングリオンの治療を考える者が多いだろう。

 さて、ここからはガングリオンが発生して肥大して、症状が出てきたときの対応について述べていく。結論から言えば、まずは整形外科で精密検査であるMRIや超音波検査を受診することが大切だ、というよりそれ以外に無い。そんなことは当たり前だろうと言う方もいるだろうが聞いてほしい。症状が軽度である場合、病院で検査をしないという人は想像以上に多く、そのうち無くなるだろうという超希望的観測を抱いている人も少なくない。そして、いよいよ症状が酷くなってから思い腰を上げて病院に駆け込むのだ。(ガングリオンなら自然消滅することもあるが…)

 ともあれ、症状が軽いまたは無症状で、精密検査を推奨するには当然理由がある。皮膚が腫大していくような類似疾患には脂肪腫や軟骨腫瘍などがあり、軟骨腫瘍のなかでも悪性、つまり癌である場合は手遅れになる可能性もあるからだ。

 一般通説では(良性腫瘍は柔らかい)悪性腫瘍は硬く、触感がごつごつして歪だという内容で語られているが、悪性腫瘍でも柔らかい場合もある。ほくろの癌といわれるメラノーマ(悪性黒色腫)のようにわかりやすい指標があれば違うだろうが、医療関係者でない者が外見や触感だけで判断するのはまず不可能だ。専門家であっても、精密検査や血液検査などの数値といった別の指標が示されていない場合、鑑別の難易度が上がる。

 繰り返しになるがMRIや超音波検査などであれば、ガングリオンと腫瘍の鑑別が容易である。何故ならガングリオンの中身は滑液などがゼリー状に固まったもの、元が液体であるからだ。そういう意味でもおかしいと思ったならば早めに整形外科を受診してほしい。

 ここまでが大まかなガングリオンという病気の紹介と、見つけたときにしてほしいことである。実際に治療していくならどういう流れになるかは次回の投稿ではなしていく。

 

拝読ありがとうございました。