膝痛の見えない原因・2

 膝痛になる大きな要因は靴だと言及したが、もう一つ指摘しておきたいことがある。それは「運動のズレ」についてだ。 この「運動のズレ」は私個人の大雑把な発言・表現で、感覚としては、自転車を全力で漕ぎながらブレーキを掛けている行為と考えてもらいたい。

 当然こんなことを繰り返すと膝は勿論、股関節や腰、足首であっても壊れていく。そして、こういったことが起きやすい状況がスポーツやトレーニング時だ。

 一つの例を出そう。バスケットボールのディフェンス基本姿勢で 「膝を軽く曲げ重心を低くキープしたやや前傾姿勢」 がある。ここまでは問題ない。ただ、私が学生時代「踵を軽く上げる」というものが余計に存在した。踵を上げてつま先立ちでないと速く動けない、反応できないという考え方だ。

 この考え方は正解であり、間違っている。何故ならバランスをとるときに足の前半分(つま先)で取る人もいれば足の後半分(踵)で取る人もいる、つまり体重移動する力の起点が足前面(つま先に近い)の人には当てはまりやすいが、足後面(踵に近い)だと多少の無理が生じてしまうからだ。

 体重移動の力のベクトルは最終的につま先を通過するため、踵を上げる考え方は誤解を招いて広がったと私は見ている。

 因みに、足の重心の前後に興味がある人は「4スタンス理論」というものを検索してほしい。

 

 本題に戻ろう。踵起点の人がつま先起点で力を使おうとした場合、身体が徐々に適応して問題なく進むこともある。筋肉が動きを最適化できるように発達し、体の負担が軽くなるのだ。しかし、最適化が間に合わなかった場合、運動によるダメージの蓄積が早くなり、大きなケガや慢性的なスポーツ障害に発展してしまう。御託を並べたが

 自分の身体の特徴と違う動きをするとダメージ蓄積が早くなる。膝はクッションの役割をしているから影響が出やすく、その上治りにくくなっていく。

ということだ。スポーツを継続的にされている方は自身の身体の基本仕組みについて軽く意識してほしいと思っている。

 

ご覧いただきありがとうございました。