(元)アスリート男性の冷え性2

スポーツをしているアスリートの男性の方が一般男性よりも、冷え性になりやすい、あるいは冷え性の症状が重くなりやすい理由を車に例えて説明していく。

大まかな前提として、一般の人は「日本車(トヨタ)」、アスリートの人は「外車(フェラーリ)」と考えてほしい。この日本車と外車のメリットとデメリットがちょうど肉体のメリットとデメリットに重なる部分が大きい。ここで「馬力(出力)」、「燃費」、「性能維持」の3点に絞って話を進める。

一般人:日本車(トヨタ) 馬力(出力)100、 必要燃費100(仮定)

アスリート:フェラーリ  馬力(出力)500超、必要燃費20

(因みにものすごくざっくりした比較なので厳密にいえば数値的に突っ込みどころ満載である。車の正確な数が知りたい人は勝手に調査してほしい)

馬力と燃費の概要ついては説明が要らないと思う。

以上に記した通り、日本車を一般の人と仮定し、これを基準にフェラーリをアスリートとして比較したが得意不得意がはっきりしているのがわかるはずだ。

それぞれ日本車は燃費、フェラーリは最大パワーとハイスペックが強みになる。

さてここで「性能維持」の話だ。車を所持し、利用している人はご存じだろうが、車は定期的に走らせるなどのメンテナンスをしておかないと性能や機能が下がってくる。車がイメージしにくい人は、自転車を乗らずに放置し、整備しないと錆びついて動きが悪くなることと同じだと考えてほしい。とりあえずの話で、性能維持に必要な力が馬力(出力)の10%程度とすれば、フェラーリは明らかに基本的な性能維持にかかる馬力が増えるのである。

だいぶ前置きが長くなってしまったが、アスリートあるいはアスリートだった人は鍛えている以上、身体の性能を維持することに必要とする食事量や運動量が一般の人よりも大きいものに変化しているということを認識してほしい。

 

 日常生活を送るだけならば、大きな馬力など必要ない。日常生活に必要な馬力を「5」とするならば、、馬力を最低維持する割合で一般の人が「5/10」、アスリートが「5/50」となる。つまり身体性能を維持するには、この差を埋めていく運動量が必要ということだ。 さらに厄介なことは身体性能は低下していくが、身体器官自体は変化していないことである。筋肉が出来上がっているならばそこに毛細血管が作られている。出来上がった筋肉は衰えるが完全になくなるわけではない。毛細血管も同様である。

 ひとつ前の回で「ゴースト血管」という言葉に触れたが、このゴースト血管には血液が流れないあるいは流れても少ない量であるため、循環不足となり、部位の体温維持が難しくなる。こういった機序により、運動量が減少したアスリートの方が冷え性になりやすい、冷え性の症状が重くなりがちという状況が発生してしまうのである。

 

ご覧いただきありがとうございました。

(元)アスリート男性の冷え性

冷え性」と聞くと女性が悩んでいる症状というイメージがある人は多いと思う。実際に女性の方が多く、男女比で言えば3:7、男性では全年齢の4割程度、女性では全年齢の8割程度が冷え性を自覚している、というデータもあるようだ。

 

今回はアスリートだった男性、ここでは学生時代などに激しいスポーツをしており、身体を鍛えたあるいは自然に鍛えられた人を対象とした話だ。明確な科学的なデータは上がってきていない、調査しにくいがもとがアスリートだった男性は冷え性になりやすい傾向がある、並びに一般人と比較して冷え性の症状が重くなりやすい傾向がある。

 この仮説に至る理由は、もともとアスリートだった人は筋肉量は一般の人より多くなっている。これが加齢やスポーツから離れた後の冷え性に繋がりやすい、冷え性の症状が重くなりやすい要因となる。順番として

1.鍛えて筋肉量が増える。

2.筋肉量に伴い毛細血管が増える

(しばらく運動から離れる)

3.筋肉が萎む

4.毛細血管が衰えて血液が流れなくなる(ゴースト血管化)

 

以上の流れを進んでいく。

まず誤解を解いておくと、筋肉が衰えると脂肪化するという俗説で、そもそも構成するものが違うため、筋肉が脂肪化、脂肪が筋肉化は起こらない。

4.で挙げた毛細血管が衰えて血液が流れなくなる、これが冷え性に関係する。今回記載した「ゴースト血管」という表現はなかなか秀逸な表現だろう。記事を整理する際にHPで見かけた。(参考:毛細血管の減少が体の不調の原因に?シナモンでゴースト血管を修復!|楽しむ・学ぶ|養命酒製造株式会社 (yomeishu.co.jp)

 

続きはありますが、ご覧いただきありがとうございました。

膝痛を軽減するための方法と要注意症状

 今回は専門家でなくてもできる膝の痛み軽減方法について触れたい。すること自体はとても簡単な内容だが継続が大事なので、とても簡単かつ単純な方法なので知った後は暇な時間。思い出した時にでも実行してほしいと思う。

 

 1つ目は、膝の皿(膝蓋骨)を掌や指でしっかり押さえて、上下左右に動かすだけである。グルグル回す形でも問題ない。大体5分くらいを1セットとして実行してほしい。膝痛が酷い人は、この方法を試すことで多少の痛みを感じるだろうが、そういう時は、動かす範囲の目安として、軽い気構えで耐えられる痛みまでで区切って実行してほしい。それだけで十分に効果が見込める。これを継続していくことで少しずつ痛みの軽減を目指していく。あとは回数を増やしていくとより早く時期に効果が出てくるだろう。

 2つ目は、膝の皿上部~太ももの間あたりの指圧・マッサージである。これも大体5分くらいを1セットとして回数を増やすほど早く効果が出てくる。こちらは痛いと感じない程度の強さで行うと良い。

 

 膝周辺構造や痛みのメカニズムの詳細は今回省いている。 ざっくり言うと膝痛は膝周辺の組織が損傷し、滑液(関節液)が一定量に保たれてなくなることで発生する。滑液(関節液)が多くなり過ぎれば水分が周囲を圧迫して痛み、少な過ぎれば周辺組織(膝軟骨など)が十分に栄養できず、クッション機能減少、骨間の摩擦が激しくなるために痛むといった具合にだ。

 この滑液(関節液)を一定に保つ循環改善を促すための方法が、先ほど紹介した2つのマッサージである。

 

 繰り返しになるが、大半の膝痛は、大きな外傷(強い衝突によるケガなど)や、膝の軽いダメージ蓄積によって膝周囲の組織が損傷・機能低下をした結果、滑液(関節液)量に異常が生じて発生している。 イメージとして膝の状態が、ダメージ蓄積が我慢できる許容量を超えているか、膝周辺の回復力が追い付いていないと考えると納得しやすいと思う。

 最後になるが、特に注意を要する傾向として5つほど提示する。これらに当てはまる場合は早急に医療機関を受診してほしい。

・強い自発痛・夜間痛があり進行性(悪性腫瘍)

・著明な腫脹や発赤・熱感がある(化膿性膝関節炎)

・嵌頓(かんとん)症状を繰り返す(半月板障害など)

 【嵌頓とは通常場所から飛び出して戻らない状態】

・受傷後15~60分ほどで著明な腫脹が現れた場合

 (半月板損傷、靱帯損傷、関節内骨折など)

・関節の動揺が強い(膝周囲の靱帯断裂)

 

今回膝痛を軽減する方法を紹介したが、くれぐれも素人判断で大丈夫だと思い込み、取り返しのつかない事態を招かないようくれぐれも注意してほしい。

 

ご覧いただきありがとうございました。

膝痛の見えない原因・2

 膝痛になる大きな要因は靴だと言及したが、もう一つ指摘しておきたいことがある。それは「運動のズレ」についてだ。 この「運動のズレ」は私個人の大雑把な発言・表現で、感覚としては、自転車を全力で漕ぎながらブレーキを掛けている行為と考えてもらいたい。

 当然こんなことを繰り返すと膝は勿論、股関節や腰、足首であっても壊れていく。そして、こういったことが起きやすい状況がスポーツやトレーニング時だ。

 一つの例を出そう。バスケットボールのディフェンス基本姿勢で 「膝を軽く曲げ重心を低くキープしたやや前傾姿勢」 がある。ここまでは問題ない。ただ、私が学生時代「踵を軽く上げる」というものが余計に存在した。踵を上げてつま先立ちでないと速く動けない、反応できないという考え方だ。

 この考え方は正解であり、間違っている。何故ならバランスをとるときに足の前半分(つま先)で取る人もいれば足の後半分(踵)で取る人もいる、つまり体重移動する力の起点が足前面(つま先に近い)の人には当てはまりやすいが、足後面(踵に近い)だと多少の無理が生じてしまうからだ。

 体重移動の力のベクトルは最終的につま先を通過するため、踵を上げる考え方は誤解を招いて広がったと私は見ている。

 因みに、足の重心の前後に興味がある人は「4スタンス理論」というものを検索してほしい。

 

 本題に戻ろう。踵起点の人がつま先起点で力を使おうとした場合、身体が徐々に適応して問題なく進むこともある。筋肉が動きを最適化できるように発達し、体の負担が軽くなるのだ。しかし、最適化が間に合わなかった場合、運動によるダメージの蓄積が早くなり、大きなケガや慢性的なスポーツ障害に発展してしまう。御託を並べたが

 自分の身体の特徴と違う動きをするとダメージ蓄積が早くなる。膝はクッションの役割をしているから影響が出やすく、その上治りにくくなっていく。

ということだ。スポーツを継続的にされている方は自身の身体の基本仕組みについて軽く意識してほしいと思っている。

 

ご覧いただきありがとうございました。

膝痛の見えない原因

膝痛は小さなダメージ蓄積が大きな要因であることは前回述べてきた。では見えない原因とその原因軽減の話をしていこうと思う。

 簡潔に「履物」、つまり「靴」が一番の原因である。合ってない靴に身体の方が合わせようと無意識に調整し、その限界を超えた結果のダメージ蓄積が膝痛の見えない原因にあたる。最たるものはハイヒールだろう。ハイヒールの問題で有名なものは「外反母趾」であるがその陰に隠れているので注意が必要だ。

 見えない原因という大それた言い方をしているが、「そんなこと知っている」と多くの方が思っているだろう。しかし知っていても行動に繋げないなら知らないのと同義である。

 一般的にハイヒールは通常の靴より接地面積が少ない。そのため自分の体重を受ける範囲が狭くなると衝撃はより鋭くなる。例を出すと、壁を全力で押しても手が壁にめり込んでいくことは無いが、同じ力の強さで、画鋲なら簡単に壁に刺さるという具合にだ。同じ力を加えても作用面積が狭くなると貫通力が増加し、この理由で、クッションである膝のダメージも大きくなるのである。

さらにハイヒールの歩き方にも問題がある。…と続けたいが詳細を語ると歩行の機序にも言及が必要となり、長くなるので省略する。 なのでざっくりとした回答で申し訳ないが、正しい歩き方をすればハイヒールを履くことによる膝のダメージがある程度抑えることができる。さらに姿勢も美しく維持できるので美容や健康のためにも是非youtubeなどを参照してほしい。

 

ご覧いただきありがとうございました。

膝の痛みの原因

前回下半身の痛み、最も厄介なものは膝の痛み(以下:膝痛)だと述べた。

今回は、原因の種類と意見について述べていく。

大まかな原因は「加齢」「使いすぎ」「体重増加」の3つでほぼ説明ができる。 例外は「関節リウマチ」と「ベーカー嚢腫(読:のうしゅ)」である。

例外の「関節リウマチ」は自己免疫疾患、「ベーカー嚢腫」は発生原因未解明なので以下の話では省く。

 

 それぞれ原因に触れていくが、加齢については言うまでもないだろう。再生能力、つまり損傷自体の回復力が落ちてくるため、小さなケガや損傷が蓄積される。当然痛みの要因が蓄積されていくというわけである。

 続いて使いすぎもそのままの意味で、道具は乱暴に使えば壊れる。構造が複雑で尚のことで、動物の身体は精密機械以上に複雑な構造をしている。復元力があるとはいえ、限界を超えれば当然壊れる。

 最後の体重増加は、前回の「膝の痛みが厄介」で触れたが、膝は体重を支え、クッションの役割を担っていることに通じる。端的に体重増加は膝の継続するダメージ量に直結することになる。

 以上当然と言えば当然だが、その当然が意外と見えていない状況が発生している。その見えてない状況について次回触れていこうと思う。

 

ご覧いただきありがとうございました。

膝の痛みが厄介

『下半身の痛みで最も厄介なものは膝の痛みである。』

これは私個人の考えだ。 

 スポーツでは当然であるが、日常生活でも下半身の痛みの影響はとても大きいだろう。それぞれパフォーマンスが落ちる、外出が億劫になるといった具合にだ。

 とはいえ、痛みの頻度や動けなくなるといった部分で腰や足首の痛みの方が大変だと考える人が多いだろう。実際に痛みや可動域制限といったわかりやすい症状も出やすい。その主張はもっともだと私も思う。しかし屁理屈に聞こえるだろうが、今回あえて「厄介」と表現した。その理由は「回復までの期間が長いこと」、「負担軽減が難しい」ことの2点だ。この2点より私は膝の痛みが最も厄介だと主張する。

 下半身に痛みが合って影響が出る動作は「歩行」であるが、痛みが腰、膝、足首のどの部分であっても歩行は大変になる。庇いながら、あるいは痛みが少なくなる工夫をして、普段とは違う歩き方を試みる人もいるだろう。

 専門家に負担軽減の歩き方指導を受けてない場合、痛みが出ないように注意した歩き方を心掛けて、痛みが軽減する程度はいかがだろうか? 体感の差はあれど、大多数の方が、腰や足首はある程度痛みを抑えて進むことができても膝は難しいと感じたことが過去にあったと思う。

 これは、膝が体重を支え、動作時の力を分散・吸収するクッションの役割を担っていることが理由である。目に見える「立つ」、「座る」、「歩く」、「走る」は当然のこと、重力がある以上、何かしらの動作時や微妙な動きであっても無意識的に膝が姿勢の調整してくれているため、常に負担がかかっている部位ということになる。

 御託を述べたが、早い話がクッションの役割である膝は最も動作の衝撃を受けやすい部位ということ、これを知っておいてほしい。

 

ご覧いただきありがとうございました。