続・突き指

 前回から話の続きだが、重症になった場合の対応方法は基本的に決まっている。安静と固定、それに尽きるしそれ以外に無い。突き指というのは重症時、伸筋腱の深刻な損傷か骨折(剥離など)という状況になっている。

 突き指の最も厄介なことの1つに、骨折などの重傷状態であっても小指や薬指なら多少の痛みで動かせることがある(反射含め)。何故なら痛覚(感覚)神経の支配が比較的弱いからだ。スポーツを行うものは往々にしてにして症状を自覚しておきながら無理または無視してプレーを続行するものが多いように思う。最早「するな」と言っても無駄だからリスクとリターンを天秤にかけて行動するように心がけてほしい。

 さて、もう1つやってしまいがちな事について述べていく。それは固定して痛みが引いた後或いは痛みが大分軽くなった際のアフターケアを怠ってしまうことだ。

 具体的に言うと、動作痛を感じなくなったり動作痛が気にならなくなったタイミングで腕のいい柔道整復師などに調整してもらった方が良い。動きをスムーズに行えるよう正しい位置に接骨治療してもらうのだ。これがアフターケアの内容である。

 追々骨折の件でも話させていただくが、固定痛み消失動作痛消失の流れの後に接骨治療を適切に行うかでその後の感覚や可動に大きな違いが生じる。繊細な手先感覚が必要となる職業や趣味を行う場合は特にだ。この処置を奨めるにあたり私はいつもこう話す「ピアノで音を出せる者は大多数いるが、ピアノを演奏できる者は少なくなる」と

 ちなみに位置接骨のアフターケアは絶対必要なものではない。何故なら日常生活動作については大きな影響がないからだ。整形外科の医者も強く勧める者は少ないだろう。ただ少し考えれば想像できると思うが、生物の肉体は無限に新鮮で若いと言うことは例外を除きありえない。衰えが出てきてからアフターケアの不十分が響いてくるなどの話もチラホラ聞こえてくるのでこれまたリスクとの天秤にかけて選択してほしい。